事業について
このページでは、キャディの向き合っている課題や事業について、大枠を理解をしてもらうための情報をまとめています。
ぜひカジュアル面談や面接の前に、読んでいただけますと幸いです。
①キャディについて
キャディは2017年11月9日に創業された、現在8期目のスタートアップです。

創業から8年間の変遷サマリ
- 2017年
- CEO加藤とCTO小橋の2人で共同創業されたキャディは、3D図面の自動見積もりサービスから事業をスタート。
- その後、2D図面の受発注プラットフォーム事業(CADDi Manufacturing事業)を開始
- 2022年
- ベトナム、タイ、アメリカと3カ国に展開するまでに事業を拡大。
- CADDi Manufacturingは特注品の取り扱いでは国内No.1の売上高、グローバルでもTop3に入る規模まで成長。
- 同年にCADDi Drawerを正式リリース。
- 2024年
- 創業から7年間続けたCADDi Manufacturingをクローズ。CADDi Drawerとの事業統合を発表し、製造業AIデータプラットフォーム事業を開始。

キャディの存在意義
キャディのMissionは「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」ことです。
Missionはキャディの存在する意味そのものであり、全ての意思決定の土台となっています。

「Japan as No.1」と称された日本の製造業は、先人たちの強烈なこだわりと熱意によって築き上げられてきました。私たちが今、当たり前のように享受している豊かな生活は、数々の限界を突破してきた彼らの情熱の上に成り立っています。
この業界には、ものづくりを心から愛する人々がたくさんいます。
誰に指示されたわけでもなく、少年のように純粋な知的好奇心と使命感によって、日々研鑽を重ねている。そんな情熱をもった大人が数多くいるのが、ものづくりの業界です。
しかし、今の製造業は、こうした熱い想いを持つ人々が「構造的な課題」によって、挑戦を諦めざるを得ない現実に直面しています。
「どうせ変わらない」「今までこうやってきたから」
長い歴史と複雑な関係性の中で、何十年も物事を変えられなかった経験が、彼らから情熱を奪い、諦めを生んでしまっています。
また、世界全体に目を向けると、AIが人間の知能の限界を超えていく時代に突入しています。
そんな中で、私たちは今後ますます物質的・物理的な限界を意識することになります。
人間の安全、貧困層の物へのアクセス、環境問題など、AIの進化だけでは解決されない問題が未だ数多く残っています。
これらの課題を解決する主役は、世界最大の基幹産業であるモノづくりを担う製造業です。
モノづくりに携わるすべての人が、本来持っている力を最大限に発揮できる社会を実現する。
小さな町工場も、歴史ある大規模メーカーも、創立まもないベンチャーも。すべてのモノづくり企業が強みを活かして輝き、新たな価値が数多く生まれる。
そして人類が直面する物的な限界を突破し、世界を前進させる。
そんな未来を切り拓くために、私たちは挑み続けています。
②キャディは何をしようとしているのか?
「製造業」は多くの方にとっては馴染みの薄いドメインかもしれません。
ここでは、キャディが向き合っている製造業の構造的な課題や、目指している世界観について解説していきます。
キャディが向き合っている製造業とはどんな産業?
製造業は、実はみなさんにとって非常に身近で関わりのある業界です。
例えばいつも通勤で使っている電車や自動車も、仕事で使っているPCやスマホも、毎朝コンビニで買っているおにぎりさえも、ありとあらゆるモノが産業機械や加工会社の手によって生み出されています。
製造業は世界最大の産業で、その市場規模はグローバルで2000兆円にも到達すると言われています。

製造業ではどんな問題が起きている?
そんな巨大な製造業ですが、実は現場では様々な問題を抱えています。
ものづくりに時間を使えない町工場の社長さん
例えば、映画やドラマに出てくるような「町工場の社長さん」をイメージしてみてください。
彼らは非常に高度な技術力や開発力を持ったスペシャリストですが、普段はモノづくりに十分な時間を割けていません。
メーカーから日々何十枚と送られてくる見積もり依頼の対応や、問い合わせの対応に時間を取られ、ものづくりに向き合う時間を十分に作れていないのが現状です。
トラブル対応に忙殺される調達担当者
一方で、そんな「町工場の社長さん」に見積もりを依頼している「メーカーの調達担当者」の方々はどうでしょうか。実は彼らもまた非常に大変な状況に見舞われています。
本来は調達戦略など、より高度な調達業務に時間を割いていきたいものの、実際には日々発生する納期遅延やトラブル対応などに忙殺され、業務の7割以上の時間を失っていると言われています。
DXの進まない現場
またデジタル化、効率化が叫ばれる昨今ですが、製造業の現場では未だにFAXでのやり取りや、紙の図面/資料でのやり取りが行われています。DXの遅れた業界としてもイメージをお持ちの方も多いと思います。
こういった様々な問題は、日本に限らず世界中の現場で同様に発生し、100年以上解決されずに残っています。
これは一人ひとりの能力によるものではなく、産業構造によるものだと私達は考えています。

製造業の問題は、なぜ発生し続けるのか?
現場で起き続ける様々な問題を、キャディはもう一段抽象的な、産業構造の問題として捉えています。(*この資料の中で一番理解いただきたい箇所です!)
1.個別最適化が進みやすい
デジタルな世界で完結しない「製造業」だからこそ、実際のモノづくりをするために、物理的に近い関係性の間で物事を進めたくなるインセンティブが働きます。
例えば、自動車や半導体製造装置のトップメーカーでさえも、取引をしているサプライヤーの大部分は近隣に集中しており、いわゆる「地場のサプライヤー」と50年60年と続くような密な関係性を築いています。
また、実際にものづくりが1,2社で完結することは非常に稀で、様々な会社や数多くのステークホルダーと協力しながら進める必要があります。何か1つの変更が後工程全てに影響を及ぼしてしまうため、できるだけ周りに影響を及ぼさないように、自部署の中だけで解決できることだけに集中したくなるインセンティブが働きます。
こうして、製造業は各所で個別最適化が進んでいます。

2.データのサイロ化(分断)が進む
個別最適化が起こると、半ば必然的にデータの分断が進みます。
例えば「設計部署」が持っているデータを「調達部署」はアクセスできない、「製造部署」が持っているデータを「設計部署」は知らないといったことが、同じ会社の中であっても数多く発生します。
これらは、工場と工場の間や、サプライヤーとメーカーの間、部下と上司の間、過去の担当者と今の担当者の間でも同様に発生します。

3.各所で車輪の再発明が起こる
データの分断により、過去に経験したことのある業務にもかかわらず、車輪の再発明が頻発します。毎回同じことをゼロベースで実行し、同じようにトラブルが発生し、同じように問題解決に奔走してしまっているのが現状です。
例えば、過去に一度トラブルが発生した機種と類似の機種を新規開発する場面においても、「設計」の方は「製造」が持っている品質不具合の情報を知らないケースがよくあります。
こうして前回と同じような設計をしてしまい、数カ月後に製造に流れた際に、また同じような品質トラブルに見舞われるということを何度も繰り返しています。

キャディが目指している世界観
製造業は「個別最適化」→「データのサイロ化」→「車輪の再発明」という構造により、100年以上同じような問題が解決されずに繰り返されています。
ソフトウェアの世界は直近の数十年でとてつもない進化を遂げてきました。
その背景にはOSSを中心としたオープンソースの文化、ライブラリによる共通化や再利用性など、巨人の肩に乗りイノベーションを加速する仕組みがあったと思います。
製造業はソフトウェアの進化と比較して、構造的な問題によってイノベーションが起きにくく、結果として数十年での進歩は限定的となっています。
キャディはこうした毎回ゼロから車輪の再発明が行われ続ける構造から、日々のデータや業務、トランザクションなどが資産として積み重なり、過去の資産を活用して業務の高度化が進むような世界を目指しています。

そして、資産化のループを作っていくことで、これまで埋もれていた「ものづくりのポテンシャル」を解放することを目指しています。
③提供しているプロダクトについて
ここまで製造業の問題についての全体像を説明してきましたが、ここからは実際にキャディがどういったアプローチで解決を目指しているのかを説明していきたいと思います。
製造業AIデータプラットフォーム CADDi
キャディは単なる業務の効率化ではなく、顧客にとって真に重要な課題を解決することを目指しています。
そのため、1つ1つのApplicationを単体で導入いただくのではなく、データ基盤やApplication/Solutionを合わせてデータプラットフォーム全体として提供をしています。

システムコンセプト
CADDi データ基盤
CADDi データ基盤は価値の源泉となるデータを提供するレイヤーです。
リアルなモノづくりの世界には、受発注情報などの構造化されたデータだけではなく、画像形式の設計図、半構造的な3Dモデルの情報、ドキュメントやチャットのやり取りなどの非構造データなど、量も種類も形式も多岐にわたるデータが存在しています。
データ基盤のレイヤーでは、これらの様々なデータを独自の解析モデル等を用いて構造的なデータへと変換しています。また、変換したデータを他の様々なデータと適切に紐づけ、無数に広がる顧客のユースケースに対応しています。

Application
Applicationのレイヤーでは、データ基盤で解析/整理されたデータを用いて、汎用的なApplicationとして顧客に価値を提供します。
このレイヤーには現在、「CADDi Drawer」と「CADDi Quote」の2つのApplicationが提供されており、今後も新規Applicationを追加予定となっています。
「CADDi Drawer」はGoogleDriveやNotionのような、企業内のデータを探索し活用するためのApplication、「CADDi Quote」はERPのような、見積や査定等などの特定の業務プロセスに対して提供されるApplicationです。
Solution
Solutionは、汎用化されたApplicationの機能では手の届かない課題や、顧客独自の課題を深く解決するために提供されるレイヤーです。
ここでは、AI Agentなど技術的な複数の手段と、SoA(Solution Architect)やFDE(Forward Deployed Engineer)など顧客に入り込み課題解決を推進する技術職メンバーの能力をかけ合わせ、一定のカスタマイズ性を許容しながら顧客課題の解決に取り組んでいます

④ミッション実現に向けた現在地
CADDiの現在地
キャディは2024年7月に祖業であるCADDi Manufacturingをクローズし、製造業AIデータプラットフォームとしてソフトウェアの事業を開始しました。
事業統合から約1年半という時間軸の中で、Software(特にSaaS)としてはT2D3を大幅に超えるスピードで成長し、グローバルでもトップクラスの成長曲線を描いています。
一方で、キャディの目指すMissionの実現から考えると、現在地はまだ山の一合目です。
グローバルで使われる製造業のインフラを生み出し、モノづくりの業界が産業構造レベルで変革されるようなインパクトを出していくためには、まだまだ大きなGapが存在してます。

世界の誰にも解けなかった問題を、なぜキャディが解けるのか?
これまで100年以上、世界の誰も解けなかった問題にキャディは挑戦をしています。
それはここまで記載してきたように、産業構造の課題であり、製造業のあり方から刷新するような大きな挑戦です。
しかし、この挑戦は世界においてキャディだからこそできると確信しています。
製造業における様々な問題は、「個別最適化」から始まります。これは実際にトランザクションの中に入って、1プレーヤーとして参入すると同じ構造を再生産してしまうため、横串のインフラ的存在としてアプローチする必要があります。
(*これはトヨタさんほどの規模になってもなお、世界をトヨタのやり方で標準化できていないことからも明らかです。)
また一方で、横串の存在としてアプローチすれば解決できるのかと言われるとそうでもありません。製造業は業界としての歴史も古く、現場の課題解決にはそれぞれの業務領域に対して非常に深いドメイン知識が必要になります。
そのため製造業全体を変えるには「横断的アプローチ」×「製造業の深いドメイン知識」の掛け合わせが必要になるのです。
キャディは図らずも、祖業としてManufacturing事業を進める中で、モノづくりの大変さを肌身をもって体感してきました。そこで培ったノウハウや人的資本を抱えています。
また2024年7月に行った事業統合により、データプラットフォームとしてのアプローチへと切り替えを行いました。
Manufacturing事業で培ったモノづくりのノウハウを、ソフトウェアとしてCADDi Drawerに搭載し、世界を変える。
これがまさに、キャディがこれからやろうとしていることです。

⑤課題が解決された先で、世界はどう変わるのか?
キャディが製造業のあり方を変えたとき、そこは一体どんな世界になっているのでしょうか。
1つの例として、ぜひ以下のnoteを覗いてみてください。キャディのお客さんからの手紙がそのまま記載されています。
例えば近い将来、AIの力によって自動運転は実現できるかもしれません。
一方で、リアルなモノづくりの現場が変わらない限り、
世界中の全ての自動車が新しく生まれ変わるのには15年以上の時間がかかると言われています。
現実世界を変えるというのはそれだけ難しい挑戦です。
でもだからこそ取り組む意味があると思っています。
私たちの生きているリアルな世界をエンジニアリングによって前進させる。
ぜひこの壮大なミッションに挑戦しましょう。

